2023/02/27

水産工学の現場から(2023/02/27)

 

 

「水産工学の現場から」では,学会員の皆様の研究活動の様子などを写真で紹介します。

 

 鹿児島県阿久根沖で行われるイワシ棒受網漁業では,ほぼ同じサイズ,形状のカタクチイワシ,ウルメイワシ,マイワシなどが混ざって漁獲されます。そのため,水揚げ時には魚種・サイズ選別は手作業に頼らざるを得ないのが現状です。本研究では,水揚げ物組成を多様度指数(シンプソン指数)で示し,水揚げ量と選別作業時間の関係について考察しました。(鹿児島大学・江幡恵吾)

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 クロマグロを対象として遊泳行動を仮想空間上で再現できるシミュレーションモデルを構築し,生簀網形状が飼育に与える影響を明らかにしました。同モデルを養殖現場に適用していくことで,魚の行動から,飼育環境の最適化が可能になると期待されます。(北海道大学・高橋勇樹)

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 模型船を用いた強制横揺れ試験を行う場合、共振周波数を正確に推定する必要があります。小型漁船の運動方程式の復原項は大角度動揺を想定した場合には非線形になり対応する周波数応答関数も多価関数になりますが、従来法で復原項を線形近似すると周波数応答関数が一価関数となり推定される共振域が大きくずれてしまいます。筆者らは第1種完全楕円積分を用いた新しい方法によってこの問題を解決しました。(東京海洋大学・上野公彦)

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