2014/11/04
平成26年度 水産工学関係研究開発推進会議水産基盤部会 「魚礁機能のメカニズム解明と定量化」
標記シンポジウムの案内がありましたので,会員の皆様にお知らせ致します。
平成26年度 水産工学関係研究開発推進会議水産基盤部会
「魚礁機能のメカニズム解明と定量化」
日 時:平成26年12月1日(月)13時00分~18時00分
場 所:南青山会館(東京都港区南青山5丁目7番10号)
主 催:(独)水産総合研究センター水産工学研究所
申 込:本ページの下方にあるPDFファイルの申込書に必要事項を記入して,所定の宛先までFAXにてお申し込み下さい。
趣 旨:
水産基盤部会では,昨年度「沿岸漁場再生のための情報収集と要因把握」をとりあげ,対策を行う前に必要な状況把握手法や解析方法について議論した。本年度は,対策の中心施設である沈設型の人工魚礁(以下,魚礁)を取り上げる。
魚礁は,広く分布する魚を集める機能,仔稚魚の保護や棲処を与える機能,食物連鎖を活発にして魚の生産を高める機能などがあると言われてきた。1970年代頃から,各地に設置された魚礁の効果を明らかにするために,標本船を用いた調査が実施され,毎年,全国的な報告会が開催されてきた。これらの成果は,2000年には「人工魚礁漁場造成計画指針」(水産庁監修)として取りまとめられた。数多くの調査事例により魚礁機能が定性的には確認されたものの,それ以上の系統的・定量的検討は十分には行われていない。
現在,沿岸域の水産資源が低迷し,なかなか回復の兆しが見られないことから,水産環境整備事業により魚礁を積極的に活用し,水産資源が回復するための拠点作りが進められている。このためには,これまでの定性的な検討や原単位調査に加えて,魚礁の各機能が発現するメカニズムの解明とそれら機能の定量化が不可欠となる。例えば魚礁設置に伴う,流れや渦の流動とプランクトンの蝟集,そのプランクトンを餌とする魚などの諸特性及び食物連鎖を明らかにするためには,流体力学と生態学など複数の研究分野の連携が必要である。観測方法は,水中写真のようなスナップショット的な観測に加えて,時系列データの取得や環境履歴が蓄積された付着物や底質の観測も重要である。また,IT など新たな観測システムを積極的に取り込んだ挑戦も必要である。さらに,調査の定量性を確保する
ため,統計的に一定の精度を確保できる調査設計が必要である。
このような背景から,水産基盤部会では,行政に携わる方々から現在実施されている魚礁事業の実態について報告戴き,その後,専門家の方々に,これまでの魚礁の調査研究について,あるいは,今後必要な研究課題について話題提供戴き,総合討論において「魚礁機能を積極的に活用した沿岸水産資源の回復に向けて」と題した議論を行う。
プログラム
13:00-13:05 挨拶 水産工学研究所 所長
13:05-13:10 企画趣旨 水産工学研究所 桑原久実
(1)事業の紹介
13:10-13:25 漁場整備の現状 ~魚礁整備を中心として~
水産庁 中西 豪
13:25-13:50 青森県における魚礁整備事業の実施状況について
青森県 田村直明
(2)これまでに開発されてきた手法
13:50-14:15 これまでの魚礁機能研究の成果 ~故柿元博士の研究の足跡~
水産大学校 野田幹雄
14:15-14:40 ROVや魚探・ソナーを用いた魚礁効果の調査事例
海洋土木株式会社 谷内 修
14:40-15:05 魚礁効果診断システムの概要と魚礁利用実態について
水産土木建設技術センター 桑本淳二
15:05-15:20 休憩
15:20-15:45 魚礁効果評価における音響調査の役割 ~その有用性と限界~
水産大学校 濱野 明
15:45-16:10 漁獲試験を利用した魚礁効果評価
株式会社エコニクス 山内繁樹
(3)これから必要な調査や評価手法
16:10-16:35 沿岸浅海域における海底堆積物と食物網の評価手法
水産工学研究所 梶原瑠美子
北海道大学 門谷 茂
16:35-17:00 定量評価にむけた統計解析の利用と調査設計方法の提案
~干潟浅海域における研究を事例として~
水産工学研究所 南部亮元
17:00-17:25 人工魚礁の機能評価と課題
漁港漁場漁村総合研究所 伊藤 靖
(4)総合討論
17:25-17:55 「魚礁機能を積極的に活用した沿岸水産資源の回復を目指して」
座長 水産工学研究所 桑原久実
17:55-18:00 閉会挨拶
開催案内・参加申込書はこちら→ H26suisankibanbukai.pdf
カテゴリ:一般記事
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