2001/01/01
ビデオ「磯焼け海域での藻場造成と管理」の紹介
ビデオ「磯焼け海域での藻場造成と管理」の紹介
【ビデオ紹介】

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平成13年度日本水産工学会春季シンポジウム
磯焼け海域での藻場造成と管理
-食害から藻場を守るには-
媒 体 |
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VHSテープ(約30分) |
販売元 |
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日本水産工学会企画委員会 |
問合せ |
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国際湿地保全連合日本委員会内 |
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日本水産工学会ビデオ係
TEL 03-5332-3362 FAX 03-5332-3364
E-mail shop@wi-japan.com
〒160-0023 東京都新宿区西新宿8-5-3
アクセス西新宿401号
頒布価格 2,625円(本体価格 2,500円)
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本誌(第39巻第1号)で紹介されている日本水産工学会春季シンポジウムの内容がビデオ化されました。世界の磯焼けの現状、ウニや魚類の食害に対抗する藻 場造成、藻食魚類の利用や漁業のあり方が報告されています。シンポジウムの各発表に関連した映像の追加取材を行い、さらに理解しやすい内容として編集しま した。本誌の記事や論文とともにこのビデオを見ると理解が深まります。
磯焼け海域で藻場造成を行う人には大きな示唆が得られます。また、藻場造成に関する今後の水産工学研究の方向性を探るには必見のビデオです。
-内容紹介-
1)磯焼けの現状/藤田大介氏
磯焼けは,海藻群落が衰退して,貧植生状態となる現象で,回復に長い年月を要する。磯焼けの景観は様々である。磯焼けは,気象・海況変化などの自然現象の みならず,人間活動の関与によって発生する。磯焼けの究極的な解決には,節度ある漁業とバランスのとれた沿岸利用が求められる。
2)ウニの食害による磯焼けの現状と対応策/桑原久実氏
北海道南西部の日本海沿岸では,コンブ類などの海藻が減少し,ウニ漁業に深刻な影響が生じている。磯焼け海域でウニ類の採食圧から海藻類の幼芽を保護し,ホソメコンブ群落を形成させるための技術として,刺し網を棒網状にしたフェンス,海底の嵩上げの効果を検証した。
3)藻食性魚の食害による磯焼けの現状/野田幹雄氏
海藻体上に残る噛み跡から魚類の食害が明らかである。アイゴの採食痕は楕円弧形で,藻体が弧状に欠損した状態となる。ブダイでは,手で引き裂いたような痕 が残る。藻食性魚の採食行動では葉状部の脱落量が多い。今後は,魚類の食圧によって磯焼けに至るまでの過程を検証していく必要がある。
4)海藻植生による藻場診断と藻場の回復手法/新井章吾氏
藻食性魚の採食が海藻植生全体に及ぼす影響はまだ解明されていない。採食圧と採食期間の組み合わせなどで,海藻群落の退行的な遷移(磯焼け)が起こる。磯 焼け海域でも,攪乱の生じる範囲では藻場が観察されるので、この立地環境を正確に模倣することで,局所的には藻場の回復が可能である。
5)藻食性魚類の漁獲・利用の事例/圦本達也氏
藻食性魚の食用の推進を目的として,アイゴ,ニザダイ,ブダイなどについて,漁獲・利用の事例をまとめた。今後,流通ルートを整備し,食品としての認識が消費者に広まれば,藻食性魚が資源化され,管理されることにより,藻場の保全に資することが期待される。
6)漁獲受注による藻食動物の資源管理/敷田麻実氏
食害生物の需要を把握してから獲る「受注漁獲」が実現すれば,磯焼け対策のみならず,総合的な資源管理手法,持続性を持った沿岸漁業の新しい生産スタイル となる。物理的生産能力・漁獲能力に加え,需要を創出・発掘する流通能力も含めた「社会的な漁場生産力」の認識によって,沿岸漁業は磯焼け問題を含む沿岸 域の問題に確実に対処してゆける。
カテゴリ:一般記事
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