2008/02/21
磯焼け対策全国協議会シンポジウム開催案内
磯焼け対策全国協議会シンポジウム
~藻場を見守り育てる知恵と技術~
主催:磯焼け対策全国協議会
共催:日本水産工学会、東京海洋大学、日本藻類学会、
後援:(独)水産総合研究センター, (社)全国豊かな海づくり推進協会、(社)水産土木建設技術センター、
日時:平成20年3月21日(金)9:45~18:00
場所:東京海洋大学(大講義室)
開催趣旨
近年,沿岸各地で藻場の衰退が深刻化しています。このため,水産庁では平成16~18年度の緊急磯焼け対策モデル事業の成果を踏まえ,平成19年2月, 「磯焼け対策ガイドライン」を作成しました。この中では,様々な藻場とその衰退について解説し,「漁業者中心に取り組みやすい磯焼け対策」として,植食性 の魚類対策やウニの密度管理等の食害対策を中心に取り纏めています。しかしながら,ガイドラインの中でも指摘しているように,藻場の衰退は,海藻が「食わ れる」ことによってのみ起こるわけではなく,海況や気象の変動など自然の猛威の他,埋立,ダム排砂などの様々な人為的影響により,海藻が「枯れる」,「生 えなくなる」,あるいは「剥がされる」ことによっても衰退します。沿岸の漁村人口が減り,漁業者の高齢化や兼業化が進む中で,藻場の衰退を察知し,衰退の 原因や持続要因を探り,藻場回復を効果的に推進していくためにはどうすべきか,行政,試験研究機関,漁業協同組合などの重要な課題となっています。
藻場の衰退を察知するためには,藻場における平素のモニタリングが極めて大きな意味を持ちます。藻場の衰退の原因や持続要因を探る上でも,衰退域を静観す るだけでなく,操作実験を始めとした能動的なアプローチや健全な藻場域との環境の比較を積極的に行っていく必要があります。また,藻場の回復を図るために は,藻場造成用の技術だけでなく,ソフト対策を含めた藻場形成制限要因の排除技術の向上が重要です。また,こうした活動を津々浦々で円滑に進めるに当たっ ては,現場の状況に明るい漁業者が中核となり,地域で海に親しむ市民やボランティア活動の積極的な参画が望まれます。
このような背景から,この度,磯焼け対策全国協議会(事務局:水産庁漁港漁場整備部)では,昨年度までに開催された「磯焼け対策を考える. ~魚類による過剰食圧の軽減に向けて~」,「アイゴを食べて藻場を回復しよう」,「ウニを獲って磯焼けを回復しよう」に続くシンポジウムとして,「藻場を 見守り育てる知恵と技術」と題した標記シンポジウムを開催することとしました。プログラムは次のとおり予定しています。参加費無料の一般公開としています ので,藻場の保全を始め海洋の環境保全に関心をお持ちの方々に幅広くご参加いただければ幸いです。
プログラム
■主催者挨拶(水産庁漁港漁場整備部整備課:宇賀神義宜) 9:45~9:50
■基調講演「藻場を見守り育てる知恵と技術」(東京海洋大学:藤田大介) 9:50~10:20
■話題提供 10:20~17:10
- 長期モニタリングが感知した藻場の変動 (10:20~11:50)
1-1 航空写真がとらえた藻場の変遷 (北海道立函館水産試験場:赤池章一)
1-2 西湘海岸の大規模人工リーフに形成したカジメ群落の15年間
(神奈川県水産技術センター相模湾試験場:木下淳司)
1-3 伊豆の磯根資源から見た藻場の変動 (静岡県水産技術研究所伊豆分場:長谷川雅俊)
1-4 長崎市周辺の藻場の現状 ((独)水産総合研究センター西海区水産研究所:吉村 拓)
(昼休み)
- 藻場の衰退要因を探る(13:00~14:50)
2-1 佐渡島真野湾のガラモ場の衰退と藻場形成阻害要因(新潟県水産海洋研究所:石川竜子)
2-2 アイゴの採食程度に差が認められた伊勢湾東部におけるサガラメ群落2地点の波浪流速
(愛知県漁業生産研究所:蒲原 聡)
2-3 伊豆諸島八丈島におけるテングサ藻場の変化と沿岸域の栄養塩環境特性
(東京都島しょ農林水産総合センター:高瀬智洋)
2-4 堆積が藻場に及ぼす影響((独)水産総合研究センター瀬戸内海区水産研究所:吉田吾郎)
2-5 流速データが語る藻場の分布(北海道立中央水産試験場:金田友紀)
(休憩)
- 藻場回復の支援技術(15:00~17:10)
3-1 投石によるコンブ漁場造成の効果と課題
(青森県水産総合研究センター増養殖研究所:桐原慎二)
3-2 コンクリートブロックの効果的な利用 ((株)アルファ水工コンサルタンツ:綿貫 啓)
3-3 ヒジキ漁場造成の取り組み支援 (和歌山県農林水産総合技術センター水産試験場:山内 信)
3-4 スポアバッグの効果的発現を目指して ((社)水産土木建設技術センター:安藤 亘)
3-5 藻場回復への小さな工夫 (オフィスMOBA:中嶋 泰)
3-6 磯根資源と藻場生態系の順応的管理 (水産庁整備課:佐藤昭人)
■総合討論 (座長:(独)水産大学校 村瀬 昇) 17:10~18:00
○シンポジウム進行:(独)水産総合研究センター水産工学研究所 桑原久実
■懇親会:場所:東京海洋大学食堂(会費3000円) 18:15~20:00
■問合先:
磯焼け対策全国協議会事務局:
〒100-8907東京都千代田区霞ヶ関1-2-1
水産庁漁港漁場整備部整備課設計班(佐藤、田村)
TEL.03-3502-8111(内6880) FAX.03-3502-2668
カテゴリ:一般記事
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