2018/10/12

平成30年度日本水産工学会秋季シンポジウム概要報告

 平成30年度日本水産工学会秋季シンポジウム「水産工学と人工知能」が10月6日東京海洋大学品川キャンパスの楽水会館で開催されました。水産庁,地方自治体,大学,研究機関,調査コンサルタント,建設会社など95名の参加を賜りました。
 講演では,人工知能AIの研究動向や水産工学への応用について概要と展望が紹介されました。人工知能の研究は欧米より中国での進展がめざましいとのことです。事例紹介では5人の講演者から報告がありました。サンゴの被度分布の推定,情報量の少ない海底地形の解像度を向上させる方法,サンマ漁場の推定への機械学習の応用が紹介されました。また,海岸堤防上のコンクリートの亀裂の判定,将来の漁船の自動航行を目標とした人工知能による漁船衝突防止の検討が紹介されました。
 総合討論では,会場から多岐にわたる質問が寄せられ,講演者が答える場面が多く,人工知能利用に関する参加者の強い興味を感じました。共通の課題として,正確な大量の現地データを如何に集めるかという基本的な問題の指摘がありました。シンポジウム終了後の情報交換会では半数弱の方が参加し,人工知能の利用方法について活発な議論がなされました。

 講演者の方々とご参加いただきました皆様には,活発なご議論をいただき,深く感謝いたします。これら講演の内容につきましては,会誌に掲載して会員の皆様にお知らせする予定です。

綿貫 啓(日本水産工学会 企画担当理事)



秋季シンポジウム会場の様子

登壇者の方々


大竹会長より開会挨拶

川村秀憲氏(北海道大学大学院)

松原雄平氏(鳥取大学特任教授)

鵜飼亮行氏(五洋建設)

伊藤喜代志氏(環境シミュレーション研究所)

荒井頼子氏(リモート・センシング技術センター)

水上幸治氏(国際航業)

橋本博公氏(神戸大学)


総合討論の様子

カテゴリ:日本水産工学会の行事